新車商談していると、営業マンから『この色だったら在庫車があるのでもう少しお安くできるのですが・・・』なんて言葉を聞いたりします。
『そもそも新車なのに在庫車って何?』
『なんで在庫車って安いの?』
『中古?』
『オプションは?』
そもそもディーラーの言う在庫車とはなんなのか、そして在庫車のいいところ、悪いところを解説していきます。
目次
新車なのに在庫車とは?
これはディーラー内部の事情になりますが、ディーラーは車を契約した日が売り上げが立つ日ではなく、車を陸運局に”登録”(ナンバープレートが交付されること)して初めて売り上げが立ちます。
従ってディーラーは車を契約してからこの登録までの時間をなんとか短くしたいと日々努力しています。
ディーラーにとって登録は早ければ早いほどいいのです。
そしてこの登録には購入者の車庫証明などの登録書類はもちろんですが、登録する新車の車体番号(フレームナンバー)が必要不可欠です。
しかし普通のオーダー車ではお客さんの書類はすぐ揃えられても、オーダーした車はすぐに出来上がらないのでこの車体番号というものが出てきません。
人気車であれば数ヶ月を要します。
つまりここが登録までに一番時間がかかる部分。
車体番号は新車製造完了時に初めて車両に刻印されます。
車体番号があればすぐに登録できる
ディーラーはこの登録までのタイムラグを縮める為に、よく売れる人気車種の人気カラー、人気グレードを予めメーカーに大量に発注しておきます。
すると購入者はいなくてもメーカーに発注は入っているので製造が開始されて車体番号を確保でき、すぐに登録ができるという仕組みです。
だから在庫車と言っても、お店で眠っているキャンセル車や展示車などとは違うのです。
ディーラーによっては在庫車は聞こえが悪いのか、”推販車”と呼んだりもしますね。
在庫車の良いところ
在庫車は納期がメチャクチャ早い
在庫車は前述でも説明したように登録スピードを早めるためにあえて在庫させているので当然納期は短いです。
購入者の書類さえ揃えば最短2週間くらいで納車できるでしょう。
通常のオーダー車であれば2週間はまず不可能で、だいたい1ヶ月からそれ以上を要すると思います。
在庫車はこれだけお得!
それでもディーラーは極力在庫車から売り捌きたいので在庫車にはオーダー車よりも値引きをします。
僕の経験上だいたい通常オーダー車の1.5倍の値引きは期待できるでしょう。
車の値引きの1.5倍は結構な数字です。
何十万と変わってくることはザラ。
在庫車の悪いところ
途中で仕様の変更がきかない
基本的にはオーダー車でも変更はきかないですがそれは建て前上の話。
早い段階であればオーダー車は仕様変更が可能な場合があります。
それに対し在庫車はすでに車体番号が出て出来上がっている車。
もちろんディーラー保有の在庫車の中で色やグレードの変更が合えばそっちにあてがうことも可能ですが、それがない場合にはオーダー車へとなり、従って値引きも変わってきます。
まあ原則的には契約したらどちらも変更はダメですけどね!
メーカーオプションは限られてくる
在庫車とはいえ、ディーラーオプション(ディーラーで取り付けるオプション)であれば自由につけることができます。
しかし、メーカーオプション(メーカーで製造時に装着するオプション)のバリエーションは在庫車の中では限られてきます。
メーカーオプションは製造時に装着する為、ディーラーがある程度売れ筋のバリエーションを想定してオーダーしていますが、それでも限界があります。
例えば『この車にサンルーフをつけて寒冷地仕様にして欲しい』と言っても在庫車にはどちらも付いている車はないかもしれません。
従って色やグレードだけでなくメーカーオプションの好みでも在庫車かオーダー車か分かれてしまうことがあるのです。
もしメーカーオプションにこだわりがあるのであればしっかりと吟味しましょう。
まとめ
意外と知らないことが多かったんじゃないでしょうか?
これらのことから在庫車の購入が向いている人は
『色やメーカーオプションに折り合いがつけられ、とにかく安く買いたい人』です。
逆にこだわりが強い人には在庫車の購入は向いていないかもしれません。
でも自分の好みが合致すればそれは超お買い得。
諦めずに在庫車を探してディーラーを回るのも一つの手です。