新車は何百万円という高額商品なので簡単に商談がまとまるものではありません。
色やオプション、そして何よりも最後の決断がなかなか決まりません。
しかしカーディーラー営業も商談は百戦錬磨のプロフェッショナル。
ちゃんとお客の”落とし方”があります。
今回は元カーディーラー営業の私が、営業視点として商談方法をお伝えします。
目次
商談に入るまで
車種、色、オプションは営業が決めろ!
営業にとって商談は色やオプションが決まって値段が固まってからが商談です。
それまでは商談でもなんでもなくただのアドバイザーでしかありません。
そしてこの色やオプションは一緒に悩んでも時間の無駄なので営業が少し方向を決めてやるのが重要です。
色やオプションは営業が決めるということ。
でも勝手に決められてもお客も納得しないよね?
ちゃーんと色やオプションに悩んでいる方に超効く落とし文句があります。
日本人に効く!『皆さんこちらを選んでいます。』
色やオプションで悩んでいるタイプの人は百発百中このフレーズで決まります。
例えばお客さんがボディカラーを白か黒で悩んでいた場合、こっちから『白は皆さんダントツで選ばれています。黒はお手入れが大変という理由で意外と選ばれていません。』などと、片方を『みなさん選んでいる』といい、片方をネガティブなイメージをつけます。
これでかなりの確率で決まります。
変更がないように再確認
営業にとって一番めんどくさいのは、商談が進んで具体的な話が出てきたにもかかわらず、オプションを変えたいなどと金額が変わることを言われることです。
商談に入る前に値段がもう動かないか再確認が必要です。
商談が始まったら
値引きを出し始めたらその日に落とす前提
営業は値引きを出し始めたらもうお店から返したくないのが内心です。
その値引きを持って競合店に行かれて被せられてはただのたたき台になってしまいますからね。
つまり値引きが出始めたらもう離さない前提で商談を始めます。
しかしそれでも帰られるかもしれないのであまり乗り気ではないお客にはそんなに値引きは出ません。
裏を返せば乗り気のお客には値引きが出やすいということ。
ただ、値引きは出た分だけ帰るのは大変だと覚悟したほうがいいでしょう。
客が悩んだらトークをとめるな!
商談が進んで最後の決断みたいな状況になってくると客は無言になりがち。
これはもう間も無く決まる証拠。
この時に営業は必ずトークを止めてはいけません。
お互いに無言になってしまうとお客は基本的に帰ろうとします。
そこで考える時間を与えさせないためにも喋りを止めてはいけません。
と言ってもここで『買ってくださいお願いします』を連呼するわけではありません。
車を買った後のメリットをビジョン化できるような話をしましょう。
『買ったら燃費や税金が安くなるのでトータルでお得ですよー』『週末の過ごし方が変わりますよ』など、新車がある生活をイメージできるような話でまくしたてます。
商談がまとまったら
キャンセル防止の前受金&書類作成を
商談がまとまっても油断はできません。
そのまま連絡がつかなくなる可能性もゼロではないから。
なのでここはキャンセル防止のために前受金を少しでもいいから貰います。
もちろんこの前受金は名前の通り、車両代の一部として受け取るので手数料ではありません。
これをもらうことでそう簡単に客もキャンセルはしてきません。
ましてやバックレるという可能性は低いでしょう。
同時に車庫などの書類もここで書くだけ書かせて後はハンコだけという状態にしてしまいます。
こうすることで『あー車買ったんだなー』という実感を沸かせます。
これで後はお土産でも渡して商談は終了します。
翌日に注意!色変更などがある場合が。
商談はしばらくは気が抜けません。
よくあるのが翌日に電話がかかってきて、『色を変えたいのですが〜』という申し出。
もちろん色を変えたいなら早めに言ってくれるのはありがたいですが、場合によっては不可or金額が変わる場合があります。
金額というのは色の金額ではなく、値引き額の話です。
同じ金額間の色変更でも、『この色だからこれだけの値引き』ということもあるのです。
ここからは値引きなどには応じないのが基本です。
これに応じてしまうとキリがありませんので。
まとめ
少し営業マン向けに書いたような感じですが、これらを逆から考えれば買うときにも参考になると思います。
営業がトークを止めない時は『大詰めだな』とわかるようになると思います。
逆に言えば大詰めにもかかかわらず沈黙となった場合は逃げ時です。
もう一回別のお店に行って競合してもいいでしょう。