ディーラーにカタログだけもらいたいなーなんて軽い気持ちで営業と話をしたらその気になって勢いで買ってしまった。
でもやっぱり家に帰って冷静に考えたらキャンセルしたい。。
家族に無断で決めてしまった。。
これってキャンセルできるの?
クーリングオフは適用されるの?
国産車ディーラーの営業だった私が実際にあった3つの実例を交えて解説します。
目次
早ければキャンセルは可能かも?
まず結論から言うとキャンセルは早ければ早いほどできる可能性があります。
逆に遅ければ遅いほど難しいということ。
というのも新車はオーダーをかけてもすぐには出来上がりません。
そのため、翌日などであればほぼ問題なくキャンセルは可能でしょう(とはいえ権利があるわけではないので無理と言われたら難しい)
しかしすぐに出来上がらないとは言っても工場もゼロから作っているのではなくある程度途中までベースは作っていて、オーダーがあるとそこからオプションなどをつけて車体番号を発行する形になるのでそれが早いとすぐに引き当てらることになります。
ちなみに車体番号が引き当てられるとディーラーが在庫車を抱えることとなり、キャンセルは難しくなります。
しかしここで『かもしれない』と書いたのは理由があります。
ディーラーは売れたら意地でもそれを無しにはしたくないのでよっぽど強い熱意がない限りキャンセルは難しいものとなります。
例えば違う車に変更しますか?色を変えますか?などいろいろ提案されるでしょう。
注意!車の購入にクーリングオフは適用されません!
もともとクーリングオフという制度は押し売りなどの訪問販売などの対策としての制度です。
車はお客さんが自ら足を運んでディーラーでじっくり商談をして購入しているので押し売りでもなんでもないのでクーリングオフの対象とはなりません。
陸運局登録後は不可能
登録後(ナンバープレートが発行された後)のキャンセルは不可能です。
登録後の車はディーラーとしても新車・在庫車ではなく一度登録された中古車扱いとなり、損害が発生します。
一度ナンバーがついた車は初度登録されるので新車とは呼べなくなります。
せいぜい未使用車や新古車です。
とはいえ車庫証明やら何やらめんどくさい登録書類までわざわざ揃えて出してそれからキャンセルする人は私は見たことがありません。
手付金は返金される?
契約時に手付金(内金、申込金)として車両代金の一部を先に払っている場合もありますよね。
これに関してはディーラー次第といったところです。
これをキャンセル料として返金しない場合もありますが、まあ大手ディーラーであれば返金することも考えられます。
そもそもこの手付金というのはキャンセル防止や逃げられるのを防止するためにいくらか支払わせることでそれを防ごうというものです。
手付金をお客さんに決めさせる場合もあるので額にもよりますが、早い段階のキャンセルであれば返してもらえるかもしれません。
ちなみに違約金などは説明がない限り発生しません。
【実例】今まで実際に受けたよくあるキャンセル理由3選!
私が営業時代に実際に受けたキャンセル理由をご紹介します。
①『一日経って興奮が冷めて我に返った』
まあよくあります。
『昨日はどうかしてた』などと言われますが正直この理由ではちょっとキャンセルは困ります。
このまま納車までどうかしててくれと思います。
私自身この理由はショッピングモールなどでの移動展示会で契約してくれたお客さんに多かったですね。
ショッピングモールでの即売会はわざわざディーラーに足を運んで商談をするお客さんと違い、衝動買いの方も多いのでキャンセルも多くなりがちです。
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②『やっぱり他の車がいい』
まあまあこれもよくあります。
ちなみにこれは大体が他のディーラーでも商談を同時進行しててそちらの方が値引きが多くて一度契約したがキャンセルできないかという申し出であることが多いです。
当然他で契約したなんて言いませんが大半はこうです。
他の車と悩んでいる状態で契約させてしまう営業も営業ですけどね。
③『お金がない』
正直これを言われるとまあ営業としては一番何もいえません。
なぜ買ったの?って突っ込みたくなります。
まあ本当はお金はあるんでしょうけど少し計算が甘かったから考え直したいということでしょうね。
しかしこれに関しては残価設定プランやローンをお勧めしてなんとかキャンセルにならなかったこともあります。
番外編:『家族が病気になって新車どころじゃない』
信じてあげたい理由ですが、不思議と私はこの理由に遭遇したのは一度だけではありません。
何回も聞いたことのある理由です。
まあ家族が病気になったとか身内に不幸があったなどと言われたらこちらは何もいえません。
そんな理由も多々ありました。
だいたいキャンセルしたくなるのは翌日
私が営業時代にキャンセルを受けたのはほとんどが翌日でした。
他にも
『奧さんに相談してなかった』
『今の車をもう少し乗りたい』
などいろいろなキャンセル理由がありました。
しかしもう一度商談をして改めて買ってもらったことがほとんどです。
キャンセルは営業の力不足
キャンセルは言ってしまえば営業の力不足です。
営業がしっかりお客さんを納得させられていないので不安が残ってしまうのです。
まとめ:車を買うのは勢いも必要
車を買うというのは家の次に大きな買い物ですからそれなりの勢いが必要。
車も家もそうですが、高い買い物は悩んでいては一生決められません。
勢いが一番必要なのです。
あなたもわざわざディーラーに足を運んで車を買ったなら勢いとは言えそれなりに新車を考えてはいたはず。
まずはキャンセルしたいと思ったらそれを営業に伝えてもう一度じっくり営業とお話をしましょう。
それが一番の解決策です。